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HSBCが見たベトナムの経済

好調な夏
経済活動は活発に


低迷する世界経済

最新の輸出あるいはPMIのデータのどれを見ても、世界の経済活動が低迷していることを示しています。それはアジアに限ってのことではありません。世界貿易データは19兆USDある総輸出額が2014年にはまったく増加していないことを示しています。コモディティの減産分を製造業の増加が補って、プラスマイナスゼロとなりました。

これは実質的には、①他国のマーケットシェアを奪うことで自国の輸出を増やしている、②コモディティベースの国よりも製造業に特化した国が有利である、③比較優位性に優れた製造業を有する国々が有利である、ことを意味しています。

成長を続ける製造業

世界経済が伸び悩む中で、ベトナムの製造業は引き続き成長を続けています。他の多くのASEAN諸国と違っているのは、ベトナムはアメリカとヨーロッパに多く輸出をしていることです。これらの国の経済が持ち直したことで、今後はベトナムの輸出がさらに増加する見込みです。

2015年第二四半期の輸出は前年同期比で12%増加し、7月の製造業PMIは前月の52.2から52.6に上昇して依然堅調を続けており、新規受注、生産、そして雇用を生み出しています。

好調だが懸念材料も

ベトナムは以下の理由により、引き続き世界の製造シェアを維持できるものと思われます。

廉価な労働力に優れていること。また、政府は税制上の優遇措置を実施し、インフラの改善に努めることで、外資からの投資を呼び込む努力をしていること。

多様な輸出相手国を維持しており、最大の輸出相手国の米国、EUに加えて、中国、韓国向けの輸出も引き続いて堅調であること。

FTA(自由貿易協定)を韓国と締結しており、また米国とEUの双方とTPP、EU自由貿易協定の包括的な合意にも取り組んでおり、引き続きマーケットシェアを維持できると考えられること。2014年度の貿易シェアは前年度0.7%から0.8%に上昇しています。

ベトナムの国内需要は好調ですが、何が懸念材料となるのでしょうか。最大のリスクは外的要因よりも国内情勢にあると思われます。

労働賃金の優位性があり、債権投資額も限られているため、海外需要の減退による影響や、資本の流出入の予想不能という特徴に起因する影響は限られています。

しかしながら、財政赤字の拡大について財務省は、中央銀行の外貨準備を活用することを検討しています。また、効率的な民間企業よりも、国有企業に対する投資が増加しています。

この2つの国内動向は、今後も注目に値すると思われます。

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