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メトロが変えるホーチミン市 2020年にも開業
vol.4


ホーチミン市ビンタイン区からサイゴン橋を渡り、北東方向に2区と9区を抜けるハノイハイウェイ。道路に沿って高架桁の架設が進む。日本が円借款で支援するホーチミン市都市鉄道(メトロ、地下鉄)1号線の建設工事だ。2020年には日立製作所の車両が走り、ベンタイン市場からビンズオン省の南端までの14駅20キロ弱を29分で結ぶ。

1日当たり350本以上が運行され、1日の旅客輸送量は340万人キロに上る計画だ。市中心部の1区は地下を走り、ターミナル駅となるベンタイン駅とオペラハウス駅の間には地下街が開発される計画もある。地下区間の一部工事も2014年に開始している。

6号線まで計画

建設工事が始まったのは1号線のみだが、最終的には6号線まで整備される計画だ。2号線は2区~12区間を東西に、3号線はトゥードゥク区~ビンタン区~ビンチャイン郡と北東から南西に走る予定で、3a号線と3b号線に分割される。

4号線は12区からニャーベー郡まで市を南北に縦断。5号線は、タンビン区バイヒエン交差点を起点に東にビンタイン区まで、南にビンチャイン郡まで延びる。6号線は、タンビン区~6区まで市西部を南北に結ぶ路線だ。

ホーチミン市が総延長170キロの都市鉄道整備を進める背景には、バイクや自動車の急増がある。市に登録されたバイクは2007年には320万台だったが、今年に入って680万台を超えた。また自動車も年々増えており、大気汚染や交通渋滞が深刻化している。環境の維持には公共交通機関の整備が不可欠だ。

都市鉄道を建設するメリットは環境面だけにとどまらない。駅ビルや駅ロータリー周辺の開発も期待され、1号線沿線では「ビンホームズ・セントラルパーク」などマンションの建設ラッシュが始まっている。国際協力機構(JICA)ベトナム事務所の森睦也所長は、「都市鉄道の建設により、人々が行き交う都市空間が駅を拠点に形成され、沿線の街作りが加速化するだろう」とメトロが市民の生活にもたらす変化に期待する。さらにメトロで利用するICカードに「Suica」(スイカ)のような日本の技術が採用されれば、日系企業にも波及効果は大きい。

ハノイでは16年にも開業か

メトロはハノイでも建設中だ。1号線、2号線、2A号線、3号線の4路線のうち、1号線と2号線には円借款が供与される。中国が支援する2A号線(ドンダー区カットリン~ハドン区間)は2016年6月末の完成を目指して建設中だ。2・2A・3号線を運営するハノイ市都市鉄道会社の運営管理には、JICAの技術協力を通じて東京メトロが支援している。ハノイもホーチミン市同様に交通渋滞と大気汚染に悩む。都市鉄道の開通が市民に与える影響に要注目だ。

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