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NNAベトナムが行く! ベトナムの「ホント」のところ

TPPだけじゃない 進むベトナムの貿易自由化
vol.5


昨年10月に環太平洋連携協定(TPP)交渉が大筋合意に達して以降、参加12ヶ国中で最も恩恵を受ける国として、ベトナムへの注目が再び増している。だが実は、TPPはベトナムにとって12本目の自由貿易協定(FTA)。ベトナムは世界経済への統合深化で、さらなる成長を実現しようとしている。

ベトナムは東南アジア諸国連合(ASEAN)の一員として、ASEANが締結する、中、韓、日、印、豪・ニュージーランドとFTAを締結しているほか、個別に日本と経済連携協定(EPA)、チリとFTAを発効させている。また2015年5月にはロシア、ベラルーシ、カザフスタンなどが加盟するユーラシア経済連合(EEU)とも締結。さらにイスラエルとも交渉を開始予定だ。

韓国・EUとも締結

注目を集めるベトナムの縫製業

中でも要注目が昨年12月に発効したばかりの韓国とのFTA、12月に締結したのEUとのFTAだ。韓国は輸出で全体の6位、輸入で2位を占める一大貿易相手国。その韓国とのFTAでは、ベトナムは2015年かけて韓国からの輸入品の90%について関税撤廃する。韓国はベトナムからの輸入品の95%について関税撤廃する。韓国は、エビ・カニ・熱帯果物などのほか、縫製品・木工製品などのベトナムからの輸入関税を自由化する。両国は貿易額を2020年までに、2014年実績から2.4倍の700億USDに引き上げる目標を掲げる。

EUは輸出で全体の2位、輸入で5位を占める貿易相手国。EUとのFTAにより、ベトナム側は最大10年間をかけて関税を段階的に撤廃する。身近な例では、EU産のワインや乳製品が一定期間後に関税無税となる。一方、EU側は7年間をかけて関税を段階的に撤廃する。繊維・衣料および履物も自由化の対象となる。

畜産や砂糖では負の影響も

NNA

ただ、FTAによる自由貿易化は全てがメリットになるわけではない。EEUとのFTAでは、ロシアからの鉄鋼製品の流入に懸念の声が上がっている。またTPP発効後は、畜産や医薬品、製糖業界などが加盟国との激しい競争にさらされる。成長が期待される縫製分野でも、TPPの恩恵を受けるためには原材料を加盟国から調達することが要件になる。アパレル製品の国内調達率は50%というデータもあり、糸や生地の国産化が不可欠だ。

FTAについての地場企業への周知徹底も重要だ。商工省によれば、国内の輸出企業はFTAの関税減免措置を受けるための申請方法をよく理解しておらず、その恩恵を十分に活用していない。さらに一昨年、英経済誌のエコノミストがベトナム企業に行った調査によれば、FTA活用の障壁として「利用手続きの煩雑さ」を挙げた回答が52%に上り、「FTAを十分に活用している」との回答は輸出企業の37%にとどまった。利用手続きの簡素化も、貿易促進に重要と言えそうだ。

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