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NNAベトナムが行く! ベトナムの「ホント」のところ

最高指導部が発足! 次期5年の課題とは
vol.6


1月末、2020年までのベトナム共産党政治局のメンバーが党大会で発表された。今後5年は、書記長以下の政治局員が最高指導部となり、国家を指導する。また党大会では、2020年までの成長目標や基本的な経済の運営方針も設定された。ただベトナムが次期5年も成長を続けるには、生産性向上と産業政策の整備がカギになる。

年初に改定された最低賃金は、前年から平均12.4%上昇した。各地の最低賃金は米ドルベースで2009年から2倍に上昇したが、同じ期間のインフレ率は6割を切る。さらに2015年のインフレ率は0.63%で、2桁ペースの賃金上昇に経済界からは強い懸念が示された。ただ、政府は2018年までに第1地域の最低賃金を180USDにまで引き上げる方針。賃金上昇圧力は少なくとも数年は続く見込みだ。

生産性はタイの3分の1

昨年のベトナムモーターショー2015の様子

昨年のベトナムモーターショー2015の様子

賃金が上昇する一方で、製造業の1人当たりの生産性は2009~2014年に36%しか伸びていない。またアジア生産性機構によれば、2012年の労働者1人当たりの生産性は7900UDDでタイのわずか3分の1、ラオスと同じ水準と、国際的にも見劣りがする。

生産性の向上を急がなければならないのは、労働集約型の成長モデルが長続きしないからだ。15~64歳の生産人口比率は2015年の70.2%をピークに下降して2045年には63.8%に下がる見込み。2010年の日本と同じ水準だ。さらに今後は日本を上回る速さで高齢化が進み、2033年には65歳以上人口が14%以上の「高齢社会」になる予測だ。

裾野産業と乗用車も課題

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生産性を向上させるためには、産業政策の力強い実行も不可欠だ。日本貿易振興機構(JETRO)が昨年実施した調査によれば、在越日系企業の現地調達率は32.1%で、タイの55.5%、インドネシアの40.5%から出遅れている。政府は2007年に裾野産業の育成に向けてマスタープランを、2011年にも裾野産業の発展奨励策をまとめた首相決定を、昨年は裾野産業育成を目的とする政令を整備したが、周辺国の背中は遠い。現在は計画投資省が中小企業支援法案を作成しており、使いやすく財源を伴う制度設計が求められる。

「裾野」とともに、産業ピラミッドの頂点を優遇する政策も求められる。国内ではサムスン電子による携帯電話工場の設立を機に、韓国系サプライヤーの進出が続く。だが日本が強い自動車は、ASEAN域内からの乗用車輸入が2018年に自由化され、現地生産の危機が叫ばれている。現地生産の継続に向け国産車への補助金制度なども提案されており、早急に対応方針を決める必要がある。最大の支援国としてあらゆる重要課題で協力する日本としても、次の5年はさらに知恵を絞り、働きかけを強める必要性がありそうだ。

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