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NNAベトナムが行く! ベトナムの「ホント」のところ

「娯楽の王様」テレビに日本コンテンツを
vol.8


ホーチミン市中心部ドンコイ通りにある韓国系コーヒーチェーン「カフェベネ」。2014年8月、ベトナムで無名だったこのカフェのオープニングセレモニーに、50以上のメディアと2000人以上の若者が集まった。韓流スター、イ・ジョンソクが参加したからだ。

コンテンツ輸出により海外での存在感を高め、商品のマーケティングに活用する。韓国が取り組んできた政策だ。韓国の2012年における番組放映権の海外輸出は180億円相当と日本の3倍近い。ベトナムでも、ドラマを中心とする韓国コンテンツの昨年一年間の放映時間は、日本コンテンツの3倍とされる。

2013年上半期におけるベトナムの広告市場でのテレビのシェアは8割を占め、「娯楽の王様」テレビの利用価値はまだまだ高い。海外のコンテンツであれば、ロケ地の映像は観光誘致につながり、ドラマで使われる商品の魅力は視聴者にすり込まれる。

韓流の放映料、日本の半分

テレビが設置されたホーチミン市の居酒屋。最近はインドのドラマも人気だ

テレビが設置されたホーチミン市の居酒屋。
最近はインドのドラマも人気だ

日本貿易振興機構(JETRO)は日本ドラマのベトナム進出が出遅れている理由として、韓流の1.5~2倍とされる販売価格や、複雑な著作権の問題などを挙げている。

ただ日本政府も「クールジャパン」戦略の一環としてベトナムのテレビに注目している。ベトナムテレビ(VTV)は2014年、日本政府の放映権費用の支援を得て「ジャパンドラマアワー」を設定し、半年にわたりNHKの「ハゲタカ」など12作品を放映した。

「大事なのは、コンテンツを流し続けること」。テレビ広告事業などを手掛ける電通メディアベトナムの橋口はるな氏は力説する。現地で認知されれば日本のテレビ局もベトナムへの売り込みを積極化し、さらに多くの番組が放映される。視聴率が上がればスポンサーも付き、輸出を意識した番組作りが進む好循環が生まれる。最近では、TBSがVTVと日本の地方の魅力を紹介する情報番組を共同制作し、VTVで放映されるなど日本の露出は確実に増えている。

日本チャンネルも登場

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さらに昨年、ベトナム初となる日系テレビチャンネル「View TV」が開局した。力を入れているのは、日本の番組から基本的な構成を買い取って現地でリメークする「フォーマット」方式だ。テレビ朝日の「お試しかっ!」の人気コーナー「イキツケ」のベトナム版は、看板番組になっているという。同局の青木潤氏は、「日本のアイデアは受ける」と手応えを語る。

青木氏などが訴えるのがオールジャパンで取り組む重要性だ。日本企業も制作段階から協力して番組を作り込めば、コンテンツ内で商品をアピールできるだけでなく、日本ファンを増やすことにつながる。青木氏は、「テレビを通じて日本をPRするプラットフォームを作る。それがView TVの使命」と語る。日系チェーン店のベトナム1号店オープン時に、AKB48が応援にかけつける。そんな日が来るかもしれない

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