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NNAベトナムが行く! ベトナムの「ホント」のところ

「女性活躍社会」ベトナムの秘密を探る
Vol. 11


「この国の女性は本当によく働くね」。路上で天秤棒を担ぐ物売りたちを見た日本人観光客や、自社に務める女性従業員たちに感謝する駐在員からよく聞くセリフだ。確かにベトナム社会は女性の活躍が目覚ましい。

ビナミルク、ベトジェット航空、ベトナム投資グループ(ビングループ)、電気冷蔵エンジニアリング(REE)――。ベトナムを代表する企業で経営トップを務める女性は数多い。世界145ヶ国の男女平等度合いを測定した「ジェンダー・ギャップ指数」でも、ベトナムは経済分野で41位。日本の106位をはるかに上回る。3月には初の女性国会議長としてグエン・ティ・キム・ガン氏が就任した。政治経済でウーマンパワーの存在感が高まっている 。

育児経験生かしおむつ販売

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ロータス・グループのレ・バン・メイ社長

ロータス・グループのレ・バン・メイ社長もその一人。16歳の時に飛び級でロシアの大学に留学し、帰国後に第3外国語として日本語を学んだ。日系商社を経て、民芸品の対日輸出を手掛ける会社を従業員3人で起業して20年余り。今やベトナム国内でイオンなどに総菜を卸し、現地パートナーとして「丸亀製麺」も展開する大手企業グループに成長させ、従業員1000人以上を率いる。4人の子どもを育てながらだ。

ベトナムで女性が活躍する理由を聞くと、「女性は人の気持ちをよく感じる」と教えてくれた。メイ社長が日本製の紙おむつの代理販売を始めた当初、店頭価格は他の商品の3倍した。だが、自身の子育ての体験から、「貧しくても子どもにはいいものを使いたい」という母親の心情を理解していた。自らサンプルを配り歩き、消費者の声を拾い上げて販路を広げた。

日本の企業文化こそ特殊?

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ベトナム人女性の強さの背景として、伝統的な「カカア天下」や、戦時中に女性が生産活動を担わざるを得なかった歴史がよく挙げられる 。ただ、日越両国で育児と会社勤務の経験があるベトナム人女性は、「日本は男性が働く時間が長すぎる。だから奥さんが家で子どもの面倒を見ないといけなくなる」と違いを感じる。男性中心で長時間労働が根強く残る、日本の企業文化こそ特殊との指摘も聞かれる。

ホーチミン市内で会社を経営するベトナム人女性に、社長業と家庭を両立させる秘けつを聞くと、「第一に夫の理解とサポート」という答えが返ってきた。夫の子育てへの協力が、仕事の面でも妻のやる気を引き出すという。日本人男性には実に耳の痛い話だ。

安倍政権は「すべての女性が輝く社会づくり」を掲げ、家事・育児への男性の参画促進を最重要課題の一つに据えている 。日本社会の変革に、ベトナムから学ぶことも多そうだ。

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