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TOP LEADERの戦略

地域・社会に貢献する車
念願の年販1万台へ挑戦 Vol.38
ISUZU VIETNAM CO. , LTD.


1995年に進出し、今年22年目を迎えたいすゞベトナム。トラック市場で存在感を高め、特装車等へと車両の幅を広げてきた。ニーズ急増の追い風を受けて、今年は過去最高の1万台の販売を目指す。

多様で多彩なトラック 顧客の多くは物流系

General Director 代表取締役社長 能登秀一

―― 今年で設立22年目を迎えます。

能登 いすゞ自動車ではASEANを「第2のホームカントリー」と位置づけ、1990年代半ばからリソースを投入してきました。ベトナムではキャブ(運転席のある箱部分)、シャーシ、部品などを輸入して現地で組み立てるCKD(コンプリート・ノックダウン)方式で生産し、大型のトラクターなどは車両自体を輸入しています。主力は1.5~15tのトラックで、他にはピックアップトラックの「D-MAX」やSUVの「MU-X」があります。

―― トラックの車種は何種類ですか?

能登 トラックは実はバリエーションが多くて、積載量、エンジンの馬力、シャーシの長さ、キャブの大きさ、荷台の種類などをそれぞれ選びます。お客様のご注文に合わせて弊社の工場で組み立てるわけですが、これらを掛け算すると1500種類程度になると思います。

最も売れているのは販売台数の半数強を占める、「QKR」という積載量1.5~2tの小型トラックです。弊社製品では一番小さなサイズのトラックですが、ベトナム全土を走り回っていますので、皆さんも良く目にしていると思います。ベトナムでのお客様は物流系がほとんどで、他は建設関連。そのため、集配に使う「QKR」が人気なのでしょう。建設系にはダンプカーやミキサー車などがあります。

また、トラックは大きく配送車と特装車に分かれますが、生産しているのは前者が8割、後者が2割程度です。特装車には冷凍冷蔵車やごみ収集車などがあり、今年6月には特装車だけの展示会をホーチミン市で開きました。

―― トラックメーカー市場はいかがですか?

能登 シェアは地場企業がトップで、弊社を含めた日系メーカー合計で約3割だと思います。地場企業は安く輸入した部品で組み立てるので安価な点で好評ですが、部品在庫が十分にないため故障時に修理が難しいなどがあり、弊社のトラックに買い替える方も増えています。

弊社製品はほとんどが日本の部品を使い、日本と同じ工程で組み立てていることが高く評価されていると感じますし、全国に17社ある正規ディーラーもいすゞブランドに誇りと自信を持ってくれています。

年販初の大台へ オートケアセンター設立

―― 業績はいかがですか?

小型トラックの「QKR」

能登 ここまでは順調です。生産が追い付かず、工場スタッフを280人ほど増員したところです。年間の販売台数で4~5年前はトラックだけで約3000台でしたが、昨年は合計約8000台と過去最高で、今年は1万台を目指しています。

理由は3つあり、ひとつはベトナムの経済成長、ひとつは近年厳しくなった過積載の取り締まりです。過積載は罰金や営業停止の対象になるため、トラック台数の増加や大きなサイズへの買換えニーズが生まれました。最後の理由はディーゼルエンジンに対する排ガス規制です。

現在のベトナムは東南アジアに多いEuro2に準拠していますが、2018年1月からより厳しいEuro4に変更されます。Euro4モデルはコストアップが予想されるため、特に価格に繊細なお客様は現行のEuro2モデルを前倒して購入する動きが見られます。

―― 日系損保会社と自動車保険を始めました。

能登 はい。昨年から日系の損保会社さんと提携し、全国の弊社販売代理店で保険を販売しています。正規ディーラーにおいていすゞ純正パーツでの事故修理保証など、十分な内容と思います。これまでSUVだけが対象でしたが、トラックでの保険も開始しました。

トラックは事前のメンテナンスと事後のアフターセールスサービスが大切で、「トラックの稼働を止めない」が我々のミッションなのです。アフターセールスを一層強化するために、9月に「いすゞベトナム・オートケアセンター」をオープンしました。

―― それは何ですか?

能登 約2500㎡の部品用新倉庫、メカニックのためのトレーニングセンター、高難度工場とで構成された大型施設です。倉庫には約8万、6000種の部品を揃え、トレーニングセンターでは優秀な日本人トレーナーがディーラーのメカニックらを教育・指導、高難度工場はディーラーでは難しい修理を担当します。技術も車両も高度化しており、対応するアフターセールスのニーズは確実に増えると見ています。

我々が生産・販売する車両は、「地域・社会に貢献する車」だと思っていますし、ベトナムの発展にも貢献したいと考えています。そのためには、品質の高い車両の提供と確実なメンテナンスの、体制作りが欠かせないのです。

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