ビジネス

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TOP LEADERの戦略

時代に合わせた開発&PR
ヒットを生み出すトライアル Vol. 39
ROHTO-MENTHOLATUM (VIETNAM) CO., LTD.


1997年に進出して21年、ベトナムを「主たる市場」として国内販売に注力してきたロート・メンソレータム・ベトナム。在越11年目となる白松浩文副社長は、時々の時流に合わせた商品開発とPR戦略でシェアを拡大させてきた。

著名ブロガーと連携 売り切れ店が続出

Deputy General Director 副社長 白松浩文

―― 御社は以前から国内市場に注力してきました。

白松 はい。ベトナムオリジナルの商品も多いですし、企画、開発、生産から広告戦略まで自社で担当しています。生産した商品はおよそ8割が国内向けで、2割は日本、アメリカ、アジア諸国に輸出。ベトナムの商品アイテム数は約110種類です。

―― 近年の商品開発やPRの手法はいかがですか?

白松 従来の方法では不十分と実感しています。なぜなら消費者、特に弊社のターゲットである若い女性の行動が著しく変化しているからです。商品の選択肢が増え、嗜好はすぐに変わり、購入方法も広がる中で、我々も試行錯誤を続けています。

ひとつのトライアルとして昨年7月、著名なビューティーブロガーのMs. Changとタイアップした口紅を発売しました。ベトナムにも女性ファンが多い在米ベトナム人で、彼女のYouTubeチャンネルには約70万人が登録しています。

主に色の相談に乗ってもらい、彼女の名前を初めて付けた3色の口紅「MIRACLE APO LIP LACQUER Changmakeup」を開発、動画の中で商品を紹介してもらいました。

―― その効果はいかがでしたか?

白松 発売1週間で動画へのアクセスが約50万ビューとなり、売り切れ店が続出し、昨年末までに約100万個を売り上げました。私も驚きましたよ(笑)。今年10月からは、同じくビューティーブロガーの「Chloe」と「LET’S MAKEUP」の2バージョンを発売。それぞれ2つの色を共に商品開発し、動画などでファンに提案してもらっています。

―― PRはテレビCMが中心でした。

白松 今でもテレビは使っていますが、3年程前からデジタルをより強く意識し始めました。そんなある時、ビューティーブロガーが弊社商品の紹介をしてくれ、売上がドンと伸びたのです。彼女たちとの連携を考え、商品説明会、工場見学、ファンとの交流などのアイデアが出る中で、「商品開発」と「レビュー」はどうかと思ったのです。

今、若い人はテレビを見ませんし、せいぜい好きな番組のみ。その番組もネットで見る人が多い。一方、特にコスメ系は商品を探すのも、評価を知るのも、感想をSNSで発信するのもデジタルです。こうしたタイアップはデジタル検索への対応であり、ブロガーの評価を見て、店頭やECへの消費行動につなげてもらう戦略。「特別なものを持ちたい」という人への提供もあります。メーカーが単独で開発して、テレビCMを打ち、店頭へ呼び込むという従来の手法だけでは、機能しなくなっています。

健康食品、輸入商品 新しい柱を育てたい

「LIPICE SHEER COLOR Q」(左)と、「MIRACLE APO LIP LACQUER」の「Chloe」と「LET’SMAKEUP」

―― 他の商品はいかがでしょう?

白松  人気イラストレーターであるMr. Tho Bay Mauとコラボしたリップバーム、「LIPICE SHEER COLOR Q」を10月に発売しました。個性的な色や香りを作り、彼の人気のキャラクターであるウサギ、クマ、女の子のイラストをケースやパッケージに載せました。ネットのマンガやテレビCMとの連動、ぬいぐるみでのプロモーションなどを考えており、ターゲットの女子中高生からは「カワイイ!」、「すぐ買わなきゃ」などのコメントが寄せられています。

弊社20年の歴史はリップバームの歴史と言ってよく、息の長い人気ブランドもありますが、「お母さんの使っていたもの」と感じる若い世代もいます。このブランドがまさにそうでして、新しい発展形を出し続けるのは使命のようなものです。

また、ローカルの製薬会社と一緒に商品開発した、アーティチョークが原料の二日酔い防止ドリンク「ALCOFREE」を今年4月に発売しました。アーティチョークはお茶やサラダにもなるベトナムの伝統原料で、信頼を得られる健康食品だと思います。

―― 他業種へも進出しているのですね。

白松 事業範囲を広げようと考えていまして、2015年12月に開院した美容皮膚科クリニックの「ロートアオハルクリニック」もその一環です。また、今年から輸入商品の販売を本格的に始めました。増加するハンドキャリーの弊社商品が高額だったり、品質が保証できないなどへの対策と、テストマーケティングの意味もあります。直販店をホーチミン市に4店、ハノイに1店作り、人気ECサイトの中に特設コーナーを設けるなどしています。

今後も広い意味でタイアップを続け、新規事業も拡大していきます。現状維持の安定成長は欲しいものの、新しいチャレンジをして、消費者を引き寄せる新しい柱を作ることが必要。そして高いシェアを取っていく。

弊社は売上ベースでずっと2桁の成長を続けていますが、ベトナムの経済が伸びる中で、経済成長率を大きく上回る成長は必須と考えています。

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