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TOP LEADERの戦略

日本スタイルのイベント
ベトナムで躍進中! Vol. 42
AAB INC. / AAB VIETNAM Co., Ltd.


日系イベントの陰にAABあり。2006年に進出後、徐々に顧客を獲得し、現在はベトナムのイベント専門会社で1位とも2位とも言われる存在に成長した。各種セレモニー、展示会、PRイベントからベトナムタレントのショーの演出・制作まで、その実際を平櫛代表が語る。

日本の気配りをイベントに 日越双方から案件受注

CEO  平櫛開三

―― どんなイベントを手掛けているのですか?

平櫛 オープニングセレモニー、周年事業、商品発表会、日本の物産展や訪日促進プロモーションなど、多種多様です。弊社は企画制作会社ですので企画からデザイン、制作、現場運営まで、すべてを社内のベトナム人プランナー、ディレクターが推進します。

どんなイベントを手掛けるかは年ごとに異なるのですが、昨年はベトナム進出ブームからちょうど10年、20年の節目だったからでしょう、周年パーティが多かったです。また、日系イベント会社では珍しいと思いますが、人気歌手のヌー・フック・ティンやドン・ニーのステージの制作・演出は、弊社のステージチームが担当し、ツアーが始まると一緒に各地を回っています。

―― 顧客はほぼ日系企業とか。

平櫛 日本人ならではの気遣いや心配りが弊社の特徴だと思っていますし、それを評価してくれるのはやはり日本人なのです。演出などでお客様と意見が分かれることもありますが、自分の思ったことは曲げないようにしています。その結果として、「平櫛さんの言う通りでした」と言われるのが、最大の誉め言葉ですね。

イベントに集まる方々は圧倒的にベトナム人なので、彼らが楽しめる、ワクワクするような演出やステージが何より大事。それができているから、先の言葉を言ってくださるのだと思います。

また、弊社に営業部門はありません。PRはせいぜいSKETCHPROの「イベントオヤジの独り言」(コラム)くらい(笑)。日系企業さんとのつながりや口コミから依頼が来ていて、ベトナムの仕事は全体の7割、そのうち5割が民間企業、2割がベトナムの日系公的機関からです。残りの3割は日本の官公庁や自治体からの依頼です。

―― 日本の仕事もしているのですね。

平櫛 はい。これらの案件は企画競争なので、日本の関連企画会社が企画書を作り、本社が受託しています。ベトナムもそうですが、拠点のある国の事情や流行にリアルタイムで通じている強みを生かし、アジアの案件を受注しています。最近では自治体による海外進出支援や知事のトップセールスなども多くあり、日本からの案件は増えています。

AABが企画・制作したヌー・フック・ティンのコンサート(2017年11月30日)

一方、日本企業の進出増に併せてベトナムの案件も年々増加しています。小規模なイベント現場も含めれば、昨年1年で200本以上の仕事がありました。ピーク時には1日で8現場が並行しています。

ベトナム国内のイベント専門会社で、売上もそうですが、従業員数でもうちがトップクラスだと思います。弊社のスタッフはハノイとホーチミン市を合わせて60名ほどですが、イベント専門会社で60人は聞いたことがありません。

設立して10年以上が経ち、今ではスタッフがAABのTシャツを着ること、AABで働くことを誇りに思ってくれています。結婚して子供ができたなどの古参社員も多いんですよ。

日系の信頼で実績を伸ばす 今年から全拠点を管轄

―― ベトナムのイベントはどのように変化していますか?

平櫛 イベント会社としては、フェイスブックなどのSNSや動画配信と連携した、デジタルとイベントを融合させることが増えました。一方この10年で、ベトナム人が世界の最新情報を、比較的容易に得られるようになったことが大きいと思います。

例えば、近隣の先進国にも行くことが簡単になったので、ベトナムとは比較できない規模やレベルのイベントを間近で見られます。ベトナム人は元々センスがいいので、こうやって得た情報を真似できるんですね。日本なら1億円かかり、建築規制に引っかかるようなオブジェも、ベトナムでは安く作れるのです。

ベトナムではこれから街もファッションも、そして、イベントもますます格好良くなります。一方、私たち日本人にはその格好良さの理解に限界があります。結局、ベトナム人スタッフがこれらの情報や流行を敏感に感じて、自分たちで表現することが一番良いのです。

―― 今後の予定を聞かせてください。

平櫛 本当はゆっくりしたいんですけどね(笑)。でも、今年は日越外交関係樹立45周年ですし、2020年には東京オリンピックがあり、2025年の万博には大阪が立候補しています。これらの案件にも携わりながら、AABの各国の拠点を巡りたいと思っています。ベトナムだけでなくそれぞれの国のスタッフたちと接して、AABのネットワークをさらに確立していきます。

そのため今年からCEOとして、一旦引退した(会長職になった)日本も含め、全拠点を統括管理することになりました。そう、まだ休めませんね。

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