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HSBCが見たベトナムの経済

時間を要する ベトナム経済の回復


ベトナムでは2007年と2009年に信用残高が高水準だったことにより、不良債権率の上昇及び消費者マインドの冷え込みを招き、現在もなお国内需要の低迷に苦しんでいます。ベトナムの対外的なポジションや成長見通しについては依然として懸念がありますが、HSBCはベトナム経済が正常かつ緩やかな回復基調にあると考えています。

 

ベトナムの特色

 

ベトナムの特色である望ましい人口構成、豊富な資源、さらには低賃金の労働力などでは、継続的な発展を期待することができます。我々は中期的には、ベトナムがこれらの特色を上手く組み合わせて発展することが可能だと考えています。
内需及び外需が低迷する中においても、我々はベトナムの製造、輸出部門がアジアの新興国市場において強い存在感を持っていると論じてきました。労働力、電力、水などのインフラコストの競争力がベトナムの輸出部門を支えています。
世界的な金融危機の後もベトナムは2桁の輸出成長率を維持。顕示比較優位指数、グローバル・マーケットシェア、経済成長率についてのHSBCの分析では、ベトナムが原材料の輸出を中心にした経済モデルではなく、加工品の輸出を中心とした伝統的な経済成長モデルであることを示しています。
1996年には70億USDであった商品輸出高は、2013年には1320億USDまで急速な伸びを示し、2014年には1510億USDに達するものと予測しています。

 

上昇傾向の源

 

我々はより多様化した、資本集約型の農業及び製造業関連の輸出が、ベトナムを不況脱出に導くと信じています。低賃金の労働力、そしてインフラを改善していくことにより、今後はより大きな資本集約型の製造業を呼び込むことが、多くの若年層に雇用をもたらす最も早い近道です。
HSBCでは新規発注が在庫より上回っていることから、来月の生産高もプラスとなると予測しています。急成長してきた輸出部門と輸入成長の減速が、過去3年の国際収支の黒字転換に貢献しました。我々は2014年、そして2015年の貿易黒字がそれぞれ18億USDと5億USDになるものと予測しています。

 

石油価額の影響

 

石油価格の下落はベトナムの歳入を減らす要素になりますが、我々はベトナム財務省が保守的な石油価格予測を立てていることから、ベトナムの財政状況がこれ以上悪化することはないと考えています。また、ベトナム税源の多様化、石油依存度の低減、地方政府支出削減等の政府提案も、今国会において発表される予定です。
政府は無駄な公的支出を圧縮していますが、支出と歳入には依然として開きがあります。一方、堅調な貿易及び投資は、GDP内に占める割合こそ少しずつ低下していますが、今年度の歳入の回復に貢献しています。
ベトナムは法人減税によるGDPに占める税収の割合の減少を補うべく、税源を拡大する必要があります(現在の22%から2016年に20%にするという法人減税が計画されています)。

 

旺盛な外国直接投資

 

ベトナムは金融機関の貸出残高の伸び悩み、民間消費の低迷、デフレ・プレッシャー、消極的な投資等により、経済回復が遅れています。
5~6%の成長率を維持出来ているのは、外国からの直接投資、比較的優位な労働集約型製造業、先を見越したTPP及び欧州自由貿易協定への努力による結果です。
HSBCは過剰与信、特に国営企業への非効率的な与信付与を抑制し、輸出と労働集約型ビジネスモデルという戦略的優位性に基づく成長モデルを維持すれば、ベトナム経済は2014年から2016年にかけて徐々に回復していくと考えます。

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