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HSBCが見たベトナムの経済

競争力をより高めた 持続可能なベトナム経済へ


ベトナムの経済回復はゆっくりと進んでいます。数字自体は少ないものの、2013年のベトナムの輸出量は世界の輸出量の0.7%を占め、2007年より0.4%もの増加となっています。それは米国のような先進国の需要に支えられたもので、2013年は米国への輸出金額でベトナムは20位、総額は250億米USDでした。その後、2014年1~9月で対米輸出は23.5%増加しました。
重要な役割を果たしたのがTPPで、米国や日本を含む巨大市場との貿易を可能にしました。また、ヨーロッパ地域とのFTAやRCEPも、ベトナム製造業の世界シェア増加を後押ししました。停滞するグローバル需要により、先進国企業は一段とコストカットを進めています。中小企業であってもベトナムのような、より低コストな代替生産地を求めています。
安定的な外国投資および安い労働力の下で、PMIの指標の一つである雇用も安定的に成長しています。これはより多くの労働力が労働市場に吸収されている、ポジティブなサインでもあります。

 

改善すべき点

 
ベトナムは着々と貿易インフラ(物流コスト、道路、空港)の改善を進めています。しかし、依然としてタイやマレーシアには遅れており、道路状態の改善から管理コストの削減まで、多くの改善すべきところがあります。
企業の破綻処理は、もう一つの改革すべき重要な点です。企業破綻の手続きに適切な法的フレームワークがないため、ベトナムにおける債務清算プロセスは長期に渡り、その結果、資産および経済効率性に悪影響を与えています。ただ、急落する石油価額はベトナム財政赤字を収縮させ、製造業におけるコストの低下は消費者にとってもプラスに働きます。我々は景気回復と購買力の向上により、国内需要がゆるやかに回復していくと期待しています。

 

増加する輸出入量

 
現時点では製造高の増加、新規発注の加速、雇用増、仕入価格の低下といった多くのポジティブな兆しが見てとれます。2014年10月のHSBCのPMI指数は、51から52.1に増加しました。いくつかの代表的な指標を見るに、全体の生産高が今後さらに増えていくことを示しています。
2014年11月には輸入は前年比で25.8%増加し、輸出も前年比で17.8%増となっています。従来、11、12月は貿易量が多い月ではありますが、2014年はベトナム商品の競争力の向上によって、かなりの増加が見込めます。
同時に2014年第四四半期の高い需要および旧正月前の旺盛な需要を背景に、この時期の輸出入は著しく増えていくと思われます。我々は偶発的な要因がなければ、VNDは底強い外国投資および黒字経常貿易に支えられ、安定的な動きとなると信じています。

 

グローバルバリューチェーン

 
高騰している中国の労働コストに対するコストカットの圧力は、電機メーカーをベトナム北部にシフトさせています。ベトナム北部は港および主要空港まで近く、中国からの部品調達が容易となっています。ベトナムにとっては安い賃金による資本集約型投資を招致するのが、目下では正しい政策だと我々は信じています。効率的な労働、資本、資源分配を維持させれば、将来のコスト競争に耐えうる環境を維持し、ベトナム経済の行く先は明るくなると考えています。
まだまだ多くの課題がありますが、我々の見解として今後の経済の飛躍への最も大きな壁は、ベトナム国内にある企業をグローバルバリューチェーンにつなぐための、迅速な努力が足りないということです。しかし、しばらくの間、ベトナム経済はそれでも強くなっていくでしょう。

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