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HSBCが見たベトナムの経済

堅調な産業活動が ベトナムの追い風に


グローバル需要の鈍化、原油価額の下落、銀行の高い不良債権比率など、2015年はベトナムにとって厳しい1年になると思われます。しかしながら、HSBCのアナリストは2015年のベトナム経済成長が底堅く推移すると見ており、GDP成長率は2014年の6.0%から6.1%になると予測しています。
昨年12月に発表された11月HSBC製造業PMIは52.1から52.7となり、安価な労働コストによる競争力の向上に支えられて、第4四半期GDPは前年比で6.8%の成長率に達しました。2014年、海外直接投資の払い込み済の金額は124億USDで、海外直接投資の総額は202億USDでした。
海外直接投資の大半はベトナム製造業に投資され、ベトナムの輸出構造に変革をもたらしています。それにより我々は、2015年の輸出額が前年比で12%増加すると予測しています。

 

影響を与える要因

 
2014年に最も成長したセクターは、(1)ガスと電力、(2)情報通信、(3)製造業であり、それぞれ12.1%、9.1%、8.5%成長しました。2013年9月以来、HSBC製造業PMI指数は、旺盛な新規輸出受注のおかげで50以上を維持しており、2015年もこの勢いは衰えないものと思われます。我々はこの加速的な成長に4つの理由があると考えています。
①2014年の海外直接投資の金額が堅調であったこと。その多くの工場が2015年以降稼働し始め、輸出の後押しになる。
②ベトナムにとっての最大の輸出市場である米国経済の回復は、2015年にベトナム商品への需要を牽引する。
③貿易自由化への努力及び安い輸出品(食品、魚介類、繊維、履物)は、安価なベトナム商品を求めるユーロ圏、日本への輸出を後押しする。
④原油及び石炭価額の低下は生産コストダウンにつながり、その結果、消費者も恩恵を受け、ベトナム企業の競争力が高まる。

 

製造業の勢い

 

新規受注水準は現在の在庫水準を超えており、今後数ヶ月の間におそらく生産量は拡大していくとみられます。低い労働コストと生産コストの低下が競争力のあるベトナム製品を生み、同時に需要増加も後押ししています。
一方で、企業の粗利率が低下していることもあり、その企業の利益が消費者に移転していると理解することができます。また、グローバルなコモディティ・サイクルの交代により、様々な原材料が値下がりしています。
製造業部門の成長は経済に様々な影響を与えています。労働集約型の製造業者は主にベトナムの安価な労働コストに魅力を感じていますが、一方でインフラ面(しっかりとした物流システムやエネルギー供給など)での整備が必要となります。

 

インフラ

 
ベトナムは主要なインフラ・プロジェクトにより、10年前に比べてより投資の魅力が高まっていると思われます。
例えば、ノイバイ国際空港第2旅客ターミナルがオープンし、年間1500万人までの旅客キャパシティを実現、航空貨物輸送ニーズの増加にも対応できるようになりました。他の多くのプロジェクトも、2015年と2016年に完了すると我々は予測しています。ベトナム政府は国内金融機関、JICAや世界銀行などの国際金融機関を利用し、新規プロジェクトための資金を調達しています。
中期的には、ベトナムの労働コスト優位性が消える前に、外国企業と国内企業との間でのビジネスを拡大するという課題を解決し、グローバルで競争していくための戦略を立案する必要があります。今後数年間にベトナムが継続的に、どの程度の勢いで成長を遂げるかは、政府が打ち出す短期的な戦略に依存しています。我々はその成り行きを見守る必要があります。

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