総力特集

Feature


外資系石油サービス会社に勤務
技術一筋から支社長へ

外資系石油サービス会社に就職して20年。研究室で技術担当として働いてきた彼は、一昨年に支社長になった。オペレーションマネジャーとして、現在の部下は約120人、企業の運営や生産に携わる立場となっている。

BJ SERVICES – PV DRILLING JOINT VENTURE CO., LTD
Country Operation Manager
Nguyen Van Hoa グエン ヴァン ホア
1972年、ホーチミン市生まれ。ホーチミン市百科大学石油化学学科を卒業後、貿易会社でセールスエンジニアに。5ヶ月後に外資系石油会社に転職し、6ヶ月後に現在の会社に転職。一貫して技術畑に関わるが、2013年から現職。

事業方針の変更で経営層に抜擢

Nguyen Van Hoa
グエン ヴァン ホア

「技術以外は知らない私に、今のポジションのオファーがありました。引き受けたのは、新しいチャンスだと思ったからです」

Hoa(ホア)氏は米国石油サービス会社と国営ベトナム石油グループ子会社の合弁企業に勤める。1995年にライバル会社から転職後、M&Aが繰り返されて会社の名称は変わったが、一貫して化学系エンジニアとして、研究施設で働いてきた。

油井(原油の井戸)の掘削においては、鋼管パイプを中に入れて、坑壁との間にセメント材を注入し、パイプを固定させる。そのセメントは特殊なので、市販のセメントに何種類かの添加剤を混ぜて、最適な配合で独自性を出す。Hoa氏は長年、こうした化学添加剤の研究・開発に取り組んできたのだ。

エンジニアを続ける中でマネジャー職になり、2013年に現職になった。競合が多い入札を勝ち取るためには、駐在員よりも現地のスタッフの有効活用が重視されるようになり、その教育方針と経費削減のために彼が指名されたのだ。

「実質的な仕事は生産のオペレーションマネジャーです。部下は約120人おり、設備、機械、人事、会計などを総合的に管理しています。利益を出すためのコストコントロールも仕事のうちです」
同時期に海外勤務のオファーもあったが、Hoa氏はベトナムで働くことを選んだ。家族を大切にしたかったからだ。

自宅と自家用車 妻の買い物術

妻、長女、次男と

Hoa氏には貿易会社を経営する妻と、高校3年生の長男、中学1年生の長女、幼稚園生の次男がいる。妻の事業は中部で育てた生姜の販売で、ジンジャーオイルなどへの加工も行っている。

「生姜は育てやすくて、薬効や美容の効果があり、ニーズが増えると思いました。今後は輸出を予定していて、日本でのパートナーも探していますよ(笑)」(妻)

長男は豪州系大学ホーチミン市キャンパスの付属高校に、長女はインターナショナルスクールに通う。Hoa氏は「年収は公開できない」としつつも、「子ども3人の学費は年に約3万USD」と語る。このように家族の生活が第一の彼に高級志向やブランド志向はない。自家用車にフォードの中型SUV「エベレスト」を選んだのも、車内が広くて子どもが快適に過ごせることや、安全性を重視したからだ。もちろん、出張にも活用している。

自宅は3階建ての持ち家で、リビング、キッチン、夫婦の部屋、子どもの部屋、ゲストルームなどの全6部屋。お手伝いさんは平日の調理係と掃除係の2人。仕事の後はリラックスしたいので、家事を考えたくないという。

一方、妻の趣味は化粧品や服などのショッピング。ベトナムでは安全性やデザインセンスが劣るからと主に海外製品を購入。化粧品なら日本製やフランス製で、服はアメリカから輸入しているという。買いたい服は各ブランドのホームページで商品を選び、その内容を現地のエージェントに伝えて、ブランド本社から直接購入してもらう。彼女と同じような人が何人かいるので、皆の分をまとめて、航空便でベトナムへ送ってもらっているとか。

「こうするとベトナムで買うより安いんです。ECサイトを使わないのは、間違いなく本物という信頼がないから。靴や子どもの服、ヘッドフォンなどまで、ベトナムのほうが高そうな品物はこの方法で買っています」(妻)

ビジネストレンドは大型ショッピングモール

リビングの床は水槽で、鯉が泳ぐ

今のビジネストレンドについてHoa氏は、その代表として大型ショッピングモールを挙げる。週末はほとんど家族で外食をするが、よく行くのは近くにある数件の大型ショッピングモール。ランチやディナーを楽しむだけでなく、子どもは様々なアトラクションなどで遊べるし、親もゆっくりと過ごせるからだ。実際、似たような家族連れをよく見かけるという。

「ベトナム人の仕事は自営業より会社勤めが増えて、全体的な収入もアップしています。ただ、都市部まで通勤するようになると、週末は遠くに出掛けるより、近場でリラックスしたくなります。物の選択肢が多いこうした施設は、今後も流行ると思いますよ」

外資系企業に勤める彼の目から見ても、ベトナムの市場は魅力的という。消費欲が旺盛で、収入は上がり、主に海外の技術力で購買価格が下がったことで、物をより気軽に手にできるようになった。

「私が小さいころは何もなかったので、隔世の感があります。しかし、色々な問題も起こってくるでしょう。例えば、大都市への人口集中による都市部と農村部の格差、大都市の住居不足や交通渋滞などです。そこが心配ですね」

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