総力特集

Feature


何人いる?どこにいる?
増え続ける中間・富裕層の実際

ベトナムの経済成長が国民所得を押し上げている。中間層が増加し、「お金持ち」である富裕層も生まれた。では、ベトナム人の平均所得はいくらで、中間層や富裕層の割合はどれほどなのか。ベトナム統計総局のデータなどから、多面的に見てみよう。

収入は10年で5倍増 消費意欲も旺盛

ベトナム人はどのくらい収入を得ているのか。ベトナム統計総局の調査結果によると、2012年の国民の平均月収は約200万VND。為替レートを現在の1USD=21500VNDで計算すると約93USDだ。2002年が35.6万VNDなので、10年で5倍以上と激増している。

一方、1ヶ月の平均消費金額は2012年が160.3万VND。2002年は29.4万VNDなので、こちらも10年間で5倍以上に増加。収入額と消費額の推移グラフは似た上昇率となっており、収入と共に増える旺盛な消費意欲を示している。

月収700USD以上の「中間・富裕層」が増加

中間層や富裕層とは、どのくらいの収入を得ている人たちなのか。ボストン コンサルティング グループ(BCG)ではベトナムの中間・富裕層に関して「Vietnam and Myanmar Southeast Asia’s New Growth Frontiers」という調査結果を発表している(2013年12月)。

同調査では国内約1400の地域について人口・収入の分析を行っており、世帯月収で1500万~3000万VND(約700~1400USD)を「中間層」、3000万VND(約1400USD)以上を「富裕層」としている(為替レートは1USD=20862VND)。

調査では2012年の中間層は980万人、富裕層は260万人。ベトナムの人口を8860万人としているので、中間層の割合は11%、富裕層は3%。合計で14%となって、7人に1人が「中間・富裕層」となる。
さらに、2020年には中間層が2250万人、富裕層は1020万人、人口は9610万人になると予測。この結果、中間層は人口の23%、富裕層は11%まで増加し、国民の3人に1人は中間・富裕層になるという。

h2>ベトナム人の平均月収

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出典:ベトナム統計総局

ベトナム人の平均消費月額

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出典:ベトナム統計総局

弊誌調査では既に4割が到達

弊誌では今年3月号で「1000人調査!ベトナム人ビジネスマン大解剖」という特集を組み、全国の1000人から様々な回答を得た。

その中で個人年収と世帯年収も尋ねており、BCGの基準に近い値で区切ると、世帯月収1670万~4170万VND(約780~1940USD)が329人(33%)、4170万VND(約1940USD)以上が50人(5%)だった。つまりこの調査では、回答者の約4割が月収780USD以上の中間・富裕層になっている。

ちなみに個人月収で見ると1670万~4170万VND(約780~1940USD)は25人(2.5%)、4170万VND(約1940USD)以上は15人(1.5%)と大幅に減る。個人ベースで中間・富裕層となるには、もう少し時間がかかりそうだ。

中間層と富裕層の割合①

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出典:ボストン コンサルティング グループ

中間層と富裕層の割合②

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2015年3月号特集記事のデータより

中間・富裕層の居住地域 大都市から地方へ

中間層や富裕層はどこに住んでいるのか。BCGの調査では、予想通りというかハノイとホーチミン市に集中。2012年ではこの2都市に約半数が居住しているという。ただ、今後は居住地域が広がり、2都市に住む中間・富裕層は増加するものの、2020年の割合は約3分の1まで減少。拡大地域はハノイとホーチミン市の周辺を中心に、全国に拡大すると予測する。

そして、2012年では中間・富裕層の50%にリーチするための拠点は39だが、2020年に同程度リーチするためには73拠点が必要になるという。

超富裕層の10年後 増加率は世界一

富裕層を超える「超富裕層」もベトナムにはいるようだ。イギリスの不動産サービス大手のKnight Frank社が発表した「THE WEALTH REPORT 2015」では、世界中の富裕層を調査しているが、ここでは投資可能資産が3000万USD以上の人を超富裕層としている。

2014年のベトナムの超富裕層は前年比6人増の116人であり、ホーチミン市在住者が95人。そして、2024年までの10年間での増加率は159%と世界で最も高くなり、300人になると予測している。

確実に言えるのは、ベトナムではこれから中間層と富裕層が増加し、彼らをターゲットにした商品やサービスの開発が激化することだ。

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