ベトカル

Vietcul

イベントオヤジの独り言

イベント失敗編(猿がステージに登る) Vol. 24


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年ほど前、ある日系企業が10年ぶりの世界同時ローンチを発表する現場でした。ローンチイベントは商品登場の演出に労力と費用をかける、緊張の瞬間です。クライアントは「大事な10年ぶりのローンチなのでローカルに頼みたくない」と私たちを指名。提案した企画は、大カーテン2枚がステージトップから振り落ちる大がかりな演出でした。

大切なお客様を何百名もご招待し、会場は屋外の大型テント、上質なケータリングも手配。新商品登場の瞬間に左右の大型カーテンが同時に振り落ち、奥からジェットスモーク、商品が見えないほどの鋭い明かり。何度も念入りにリハーサルし、キッカケを確認。で、いよいよ本番です。

主催者挨拶~来賓挨拶~MCより「いよいよ10年ぶりの新型の登場です!」。ジャーン♪ジャジャーン♪ドーン! お? おやおや? 右側が落ちない? 「落とせー」「落とせー」「落ちろ!」「落ちろ!」「アホ!」。私はオペレーションブースからインカムで叫び続けました…。ふと見ると、ビーチサンダルを履いたサプライヤーが、猿がヤシの木に登るかのようなすごいスピードでカーテンによじ登り、お客様の注目を浴びながら、手でひっぱり「ドーン!」。すごい拍手が起こりました。

同時に主催者テーブルからは刺さるほどの鋭い鬼の視線。それを浴びながら、会場の柱に隠れるように少しずつ下がっていく私。悲しいやら、恥ずかしいやら、いい年をして涙目になったベトナムの洗礼でした。「無理したらダメ」、「まずはベトナムの制作レベルに合わせた企画を」を知った10年前の高い授業料でした。

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